診察券は本当に必要なのでしょうか?
診察券は、医療機関を受診する際に必ず提示しなければならないもの、というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。しかし、実は診察券は必ずしも必要ではありません。では診察券はなぜあるのか?診察券のもつ役割を簡単にご紹介します。
診察券の役割は、大きく分けて以下の2つです。
診察券の役割
1,本人確認
本人確認とは、来院した人がその医療機関の患者であるかどうかを確認することです。診察券には、患者の名前や番号などの情報が記載されているため、受付で診察券を提示することで、本人確認を行うことができます。
患者さんが医療機関を訪れる際に、受付で診察券を提出することで、正確な身分確認が行われ、これにより、患者さんの個人情報が保護され、誤った情報が混入することなく医療スタッフが適切な医療を提供できるようになります。
診察券がなければ、正確な診察や適切な治療を受けることができません。
2,カルテ管理
カルテ管理とは、患者の診療記録を管理することです。診察券には、患者のカルテ番号が記載されているため、受付で診察券を提示することで、患者のカルテをすぐに取り出すことができます。
これには過去の病歴、アレルギー、処方薬の履歴などが含まれます。これらの情報は、医師や看護師が迅速かつ適切な治療を行うために極めて重要です。例えば、特定の薬物アレルギーが記載されている場合、それを誤って処方するリスクを回避することができます。
このように、診察券は本人確認とカルテ管理のために必要なものです。しかし、本人確認については、保険証でも行うことができます。また、カルテ管理については、電子カルテの導入により、診察券の代わりに患者のIDやパスワードで管理することも可能になっています。
そのため、近年では診察券を廃止する医療機関も増えてきています。
診察券はなぜあるのか?診察券が普及した理由は下記の理由が挙げられます。
診察券を導入する理由
・保険制度の導入
保険制度が導入されたことにより、医療機関を受診する際には、保険証の提示が義務付けられました。しかし、保険証だけでは本人確認が十分にできないため、診察券の導入が進みました。
医療サービスを受けた後、患者さんは診察券を使って医療費の請求や支払いを行います。診察券には保険情報や患者の識別情報が含まれており、これにより正確な請求が行われ、適切な支払いが行われます。
・医療機関と患者の信頼関係の構築
診察券は、患者さんと医療機関との信頼関係を構築するための手段でもあります。
患者さんは医療を受けるために診察券を持参し、それを通じてスムーズな診療を受けることができます。
患者さんは自身の情報が適切に管理され、プライバシーが保護されることを期待しています。診察券を通じて正確で安全な医療サービスを提供することで、患者さんは医療機関に対する信頼を深めることができます。
このように、診察券は患者さんのプライバシーと安全を保護し、医療の効率性と連続性を促進するための重要な手段です。
これにより、より良い医療体験が実現され、患者さんと医療機関の信頼関係が強化されるのです。
診察券の今後について
今後、電子カルテの導入が進むと、診察券の必要性は低下していくと考えられます。電子カルテでは、患者のIDやパスワードでカルテを管理するため、診察券の代わりにIDやパスワードを提示する形に移行していくことが予想されます。
ただし、診察券には、・失や盗難のリスクが低い といったメリットも多数あります。
そのため、今後も診察券を導入する医療機関は一定数存在すると思われます。